B-3 島根県出雲市における高齢者睡眠アンケート調査について(第4報)
Restless Legs症候群と睡眠障害との関連−
島根医科大学精神医学講座
○三原卓巳 宮岡剛 助川鶴平 糸賀基 妹尾晴夫 稲垣卓司 上垣淳百瀬勇 笠原恭 大城隆太郎 清水予旨子 安川玲  松原啓  堀口淳

【対象と方法】本調査に同意の得られた出雲市在住の高齢者8,900人を対象にGeriatric Depression Scale(GDS)とPittsburgh Sleep Quality Index(PSQI)にRestless Legs症候群(RLS)及び夜間摂食飲水症候群に関する項目を追加して作成した調査用紙を用いて、自己記入式のアンケート調査を郵送法により実施した。4,682人(53%)から回答があった。性別、年齢、RLSに関する項目に記載もれのない65歳以上の高齢者3,287人(36.9%)の回答を今回の分析対象とした。RLS診断基準の4項目をすべて満たす群をRLS群とし、1つでも満たさない群を非RLS群として、t検定、c2検定等を用いて比較検討した。

【結果】平均年齢はRLS群(150人)が75.8±6.2歳で、非RLS群(3,137人)の74.7±6.4歳に比べ有意に高かった(<0.05)。性別は、RLS群は男性42.0%、女性58.0%、非RLS群は男性46.0%、女性54.0%と有意差はなかった。GDSはRLS群13.1±6.2点、非RLS群9.1±5.0点と有意にRLS群で抑うつ傾向が強かった(P<0.001)。平均就時刻×起床時刻、平均睡眠時間に大きな差はなかったが、平均入眠潜時は、RLS群45.3±42.8分、非RLS群35.5±36.1分とRLS群の方が有意に長かった(P<0.001)。その他の睡眠に関する13項目では、いずれもRLS群のほうが、睡眠状態に問題のある者が有意に多かった。中でも、疼痛に関する項目は、RLSの有無と高い関連があった(φ係数0.27)。続いて、寒さによる睡眠困難感(φ係数0.20)、自覚的睡眠状態の良し悪し(φ係数0.19)、暑さによる睡眠困難感(φ係数0.19)の順にRLSの有無と関連が強かった。

【考察】日常臨床で、RLS症状のために眠れないといった訴えをする患者は多いが、RLSが高齢者の睡眠に及ぼす影響についての疫学的調査はあまり知られていない。今回の調査分析にて、RLSを治療することが、高齢者の睡眠の質を保ち、QOLを高める上でも大切であることが確認できた。

【まとめ】RLS症状を呈する高齢者では、平均入眠潜時が長く、自覚的睡眠状態が良くないと感じている者が多く、また、抑うつ尺度が高かった。

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